「4の歌」の歌詞に込められた確固たるカウンターメッセージ

デビューアルバムにしてベスト盤的な内容のアルバム「BABYMETAL」.これに収録された数少ない新曲,BLACK BABYMETALによる「4の歌」.初めて耳にしたとき,誰もがキツネにつままれたように呆気にとられるのではなかろうか.

 

 

1の次は2 2の次は3

3の次は ウーッ4 !!

 

 

何という歌詞か.いくらBABYMETALが「ストレンジ感」を大切にしていると言っても,フザケ過ぎだろう,これは.そう思う方もあるかもしれない.私もメタルにレゲエ調ブレイクを無理やりぶち込む展開も相まって,第一印象は正直イマイチであった.そして歌詞はダジャレのオンパレード.

 

 

幸せの4 死ぬじゃない4

ビタミンの4 喜びの4 !

 

 

一見,ただのナンセンスなダジャレだ.それでもYUIMOAの声が,あるいはライブでの振付が,可愛すぎるからいっか.そう思うのが正しい父兄/メイトの受け取り方だろう.事実,「4の歌」を聴く間,私の頬は強ばり方をすっかり忘れたようだった.

 

しかし,実のところ,ただのくだらないダジャレの歌じゃんと言ってしまっては,この曲の本質を見失う.おかしい,全然ハマらないぞ,と自問自答しながら再生を何度も繰り返すうち,その強烈なメッセージが突如現れ,耳から鱗が落ちた.

 

この曲は,主にYuimetal,Moametalによる歌詞によるのだが,日本発のBABYMETALの唯一無二の世界観が凝縮された形で反映された傑作なのである.既成概念へのカウンター,意味の反転による本来のエネルギーの開放,である.

 

 

なぜそうなるのか.

 

 

まず,なぜ4の歌なのか.どうして「4」なのか.これは賢明なメイトのこと,すぐにメタルのイメージの一つである「死(し)=death」とに掛けた,ということはお分かりになるだろう.しかし,この死という究極のネガティブなテーマを選んだということと,結果としてできた曲調を併せて一考すると,賞賛に値するものだと分かるはずだ.

 

元来,日本においては4という数字は不吉なものとして扱われ,忌み避けられてきた.ラッキーナンバーは7.順位なら1.誰も好き好んで4という数字を自分のフェイバリットにはまず挙げないだろう.

 

だがYuimetal,Moametalは違った.そんなことはないよ,と歌うのだ.

 

 

幸せの4 死ぬじゃない4

ビタミンの4 喜びの4 !

 

 

そう,4は死の4なんかじゃないよ,楽しい意味が沢山この数字にもあるよ.死,だから4はイヤ,なんてことはないと,と.4,いいじゃん.

 

 

意味の反転である.

 

 

なぜそれが大事なのか.

 

 

なぜならそれこそが,BABYMETALという異端児が,ややもすれば閉塞した,そして大衆からは乱暴・ネガティブなイメージで捉えられていたメタルミュージックに対して行ったことと同じだからである.

 

BABYMETALの音楽に対する感想として,特に海外のリスナーに少ながらず見受けられるのは,「こんな楽しいメタルがあるのは知らなかった」というものだ.「楽しい」「fun」「ポジティブ」.従来のメタルのイメージの反転.マーティ・フリードマンはJ-POPの魅力に目覚めた瞬間について,同様のことを指摘している.

 

つまり「4の歌」の歌詞で,Yuimetal,Moametalの二人が無意識にしろ意識的にしろ行ったことは,Koba-metalがBABYMETALで実現したことの相似形であり,既成概念への挑戦,カウンターメッセージであり,単なるダジャレを超えたものなのだ.

 

さらに味わい深いことに,100%ポジティブかというとそうではない.失敗の4,という歌詞にそれが表現されている.ただ,失敗しても,死ぬわけじゃない,ビタミンを取って,また顔笑るよ,そして喜びをまた見つけるよ,というストーリー.今を懸命に駆け抜ける少女たちの心意気が健気ではないか.

 

そしてさらに,不吉な数字というイメージの反転の他にも,4,という数字を更に読み解くことが可能だ.

 

 

1の次は2 2の次は3

3の次は ウーッ4 !!

 

 

改めて小学生になったつもりで数を数えてみよう.1,2,3,そして4.私はここに4=3+1の妙を見る.4の一つ前の3.これをBABYMETALというユニットの構成人数として捉えるとどうだろう.BABYMETALはSU-METALのヴォーカルとYuimetal,Moametalの可愛いスクリームにキレキレのダンス.そのどれが欠けてもいけない.

 

しかしそれだけだろうか?

 

ライブの最後に恒例の掛け合い.We are….. BABYMETAL!! 3人と共に叫ぶのは,汗だくになった観客である.

 

そう,”THE ONE”である.BABYMETALの音に,パフォーマンスに魅せられ,共に盛り上がる人なら誰でも”THE ONE”になれる.国籍も年齢も性別も関係ない.それが最後の+1になるのではないだろうか.あるいは,今や欠かせない神バンドの存在を+1と捉えるのも一つだ.いずれにしても,3からもう一歩踏み出した所にあるエンターテイメント,それがBABYMETALであり,「4の歌」となる.

 

確かに,ダジャレの歌である.アレンジもふざけている.アホな歌だ.でもそこに確固たるカウンターメッセージと+1の意味を聴きとるとき,これを歌うBLACK BABYMETALのセンスと知性に身震いが止まらないのである.

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どう?キモイでしょ?(Moa風)

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2 Comments

  1. ぶうたんのDIET

    2014年10月22日 at 6:49 PM

    楽しく記事を読ませてもらいました!
    確かに日本では「4」という数字は忌み嫌われてます。
    そこを逆手に取ったのが「4の歌」!
    弟達に聞かせてやりたかったです。
    「4の歌」は元気が出ます!
    「死ぬんじゃない4」
    あんな小さな子達に励まされるとは。
    毎日聴いてます!

    Reply

  2. xonmetal

    2014年10月26日 at 5:27 PM

    数字をカウントしている歌詞なので「カウンター・メッセージ」で間違いない! ;-P

    Reply

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