13. 『イジメ、ダメ、ゼッタイ』

13. 『イジメ、ダメ、ゼッタイ』

見出しの”13″は、1stアルバム”BABYMETAL”での曲順です。この『イジメ、ダメ、ゼッタイ』は BABYMETAL の 1stシングルであり、同アルバムの最後を飾り、かつ 6分を超える最も長い楽曲です。で “13”は不吉な数字だしカッコ良いかなと思ってつけときました(欧米)

6分超とは言え、まったく長さを感じさせない素晴らしい作品です。随一と言えそうな ツインギター・パートが効いているので、すぐ聴き終わります。まじめな話、いまだ BABYMETAL の最重要曲であるこの通称 “I.D.Z.”を語るのは畏れ多いのですが、その歌詞について少し_

BABYMETAL に出逢った頃
知人の勧めで少し聴いたり調べるようになった BABYMETAL ですが(そこまでの経緯はまたいずれそのうち)やはり人気曲だからでしょうか、まず最初に目にしたのがこの”I.D.Z.”でした。

曲はオーソドックスだけどカッコ良いかな?と感じたものの、第一印象は普通というか
正直、歌詞がこれではもったいない/ダメだな、と感じました。
「イジメ・ダメ・フォーエバー」は痛い/キツイ、と

あまりに詩的じゃないし、これでは広報ソングじゃないか
この調子ではブレイクするのは難しいだろう/致命的だと感じたのを覚えています。

もうひとつの問題が合いの手でした。今でも「”YESTERDAY!!”やその他、あの合いの手がなければな~」という感想はあちこちで見かけます。当初は私も理解できず、ハードでノリの良い演奏、キレイに響く声に比べてずいぶん浮いてるなぁと思いました。

やや脱線しますが、(当時すでにアップロードされていた)”ギミチョコ!”も同様です。
“アタタタ-タータタ-タタタズッキュン!”(タが1個多いかな)
ここがダメだ/受け入れられないというのが初期の感想でした。

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恐らく初日はそんな程度で、おおよそマイナスだったのですが_
ただ、ひとつだけちょっと引っかかったのが、この曲”I.D.Z.”のテーマです。
テーマというよりタイトルがそのままメッセージなわけですが、
(なぜこんな歌詞にしたのだろう?)
(この曲調なら、ファンタジーっぽいナニカか、無難に恋愛か、そんなテーマにできなかったのだろうか?)

さすがに作り手側もこの弊害・デメリットは分かっていただろうに…
(勇気はあるな)そんな風に思いました。

その後、細かな気持ちの推移は思い出せないのですがとにかく BABYMETAL が気になってきました。たぶん「( ・∀・)イイネ!!」と感じる前に (ちょ!もう一回聴いてみよう)(もう一回聴きたい)というような感じだったかと思います。

2日,3日かかったかどうか、色々を聴いてるうちすぐに(やっぱカッコいいな・すっげぇいい曲だな・これはとんでもないぞ)そんな風に 180°印象は変わり、そこからはえらいスピードで好きになっていきました。

その頃の興奮の中で少し妄想していました。すでに日本よりむしろ海外でウケてるようだけど、もし彼女たちが(このクオリティに見合うほど)世界でブレイクしたら_ もしこの”イジメ・ダメ・ゼッタイ”が世界中でかかるようになり、もし本当に Bullying(イジメ) が激減したら_

“イジメ”というのが日本だけでなく、世界中で問題にされているのはもちろんとして
人種差別に基づいたり軍という組織内で発生したりと、むしろより海外の方が深刻と言えます (隣国などは相当にえげつないようです)

多くの人がその対策の難しさを感じ、現代社会ではほぼ解決不可能なのでは、とさえ思われているこの難問を、彼女たちの音楽の力でいくらかでも解消できたとしたら_

しばらくはその可能性というか、現実味を計っていました。こんなにカッコ良いメタルな/パンクな結末はないんじゃないか!?と

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ところで、
彼女たちは常に全力でステージに向かっています。ひとつにはその活動が期間限定で、本人たちさえも(いつ終わるか分からない)という緊張感の中にあるからです。(後悔しないように)常にフルパワーで(これが最後かもしれない)という覚悟で、その誠実さによって、倒れるほどの勢いで臨んでいます。

また、”さくら学院”という英才教育の賜物と言えますが
彼女たちは「ただ一生懸命・上手に歌って踊れば良し」とはしていません。聴衆に/誰かに想いが届かなければ意味がない、と公言しています。その手段としての技術を磨き、音楽に込めたメッセージを伝えることに情熱を注いでいます。

たとえ聴衆の大半が自分たちのことを知らなくても、その数が5万だろうと、言葉が通じなくてさえ_
これは、自分の能力や経験、仲間を信じていたとしても、それに立ち向かうのにどれほどの勇気が必要だったか。ただ”肝が座ってる”の一言では片付けられません。十代の女の子であることを抜きにしても、エピソードを聞けば聞くほど その現場はとんでもなく過酷だったことが分かります。

曲作りからそれを演奏・表現するところまで、関わるすべての人達が大変な挑戦をしているように感じます。まるで勇敢に立ち向かうことそのものを示しているようです。

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話を”I.D.Z.”の歌詞に戻します。

メッセージは明確ですが、選んだ言葉・その表現にはやや難解な部分も含んでいます。
意図的に視点を複数で切り替えているでしょうか。
「自分自身」と「見続けてくれた/あなた」
「他の誰か」と「気づかないふりしてた/仲間」
いくつかの解釈はできそうですが、きっと”伝えたいこと”はシンプルに、関係する全員「いじめを受けている者」「いじめを行っている者」それと「いじめを傍観している者」に”勇気を持って立ち向かえ”と訴えています。

“いじめ”対策として最も可能性を感じるのは、行っている者自身にその愚行を気付かせることでしょう。周囲が行っている者に対して気付かせる、という方法もあるでしょう。難しいのは個人の問題ではなく、集団心理ですから庇えば逆にターゲットにされ、あるいはいじめる側も引っ込みが付かないとかナントカ、本当に複雑だからこそ難しいのですが_

情けないことにオトナ社会にも”イジメ”はありますが、本来まずこのメッセージを届けるべきは子供達でしょう。BABYMETAL が広く世界中の子供達に愛されるぐらいに大きくなって欲しい、少しでも多くの人たちに、彼女たちが勇敢に立ち向かっているこの挑戦を見て欲しい、その真摯な訴えに耳を傾けて欲しい、そう願っています。少なくとも、最初はまったく耳に入らなかったけれど運良く気付くことができた私のような例もあるわけです_

彼女たちは年齢も性別も人種も問わず、広くに受け容れられ始めています。ただそれでもやはりファンの年齢はやや高めで、男性が多いようです (仕方ないところです、悪魔的メタル的に凶悪なほどに可愛い 3人ですので)
すでにお子さんのいる方もそうでなくても、将来親となり息子・娘にメッセージを伝えるという形も素晴らしいと思います。

BABYMETAL はその苛烈な情熱と音楽の持つ力を使い、具体的なメッセージを伝え・影響を与えるアーティストになり得ます。その大き過ぎる目標に向かう彼女たち/プロジェクトを私は応援し続けます。

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6 Comments

  1. KAIMETAL

    KAIMETAL

    2014年11月30日 at 10:29 PM

    こんばんは。
    記事を読ませて頂き、当たり前のことを大声で主張すること自体がとても勇気のいることだと感じました。
    その勇気が覚悟として背後にあることを今後3人が果敢に挑む姿に重ねてしまいそうです。
    ありがとうございます。

    Reply

    • POR-METAL

      POR-METAL

      2014年12月2日 at 9:13 PM

      コメントありがとうございます
      何とか文字にしたかったことは、その”勇気と覚悟で挑む姿”についてなんです
      上手くまとめて頂けて、フォローしてもらえたようで助かりましたw
      こちらこそ、ありがとうございました!

      Reply

  2. Dark★Energy

    2014年12月1日 at 7:43 PM

    IDZのヒットの原因はズバリ
    ・クサいメロディー
    ・ダサい歌詞
    ・真剣に歌ってる歌手をナメた合いの手
    の相互作用だと思ってますw

    ドン・キホーテって知ってますよね
    いっときますけど、ストアじゃないですよw
    セルバンテスの小説。

    SUがドン・キホーテなら、
    YUIMOAはサンチョ・パンサなんですよ。

    丸っきりなメタルだったら面白くもなんともない。
    唄ってる人はマジなんだけど
    聴いてるほうはどっかオカシイ。
    そこがいいんですよ。

    KOBA氏はなかなかヤルじゃん!と思いました。

    Reply

    • POR-METAL

      POR-METAL

      2014年12月2日 at 9:52 PM

      コメントありがとうございます
      私はなかなかそういうバランスとか、意外性での魅力とか気付けませんでした
      メタルにも疎いのですが、演奏はマジで演出はふざけるとか普通にあるようですね
      実際 妙な歌詞とかすっごい笑える歌詞とか、カッコ良さだけでなく何かと楽しくて
      そこがいいんですよね。ほんとにすごい求心力だと思います
      SU-METALのマジメさももちろんですが、そのあたりはKOBAMETALの功績なわけですね~

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  3. CERAMIC-METAL

    CERAMIC-METAL

    2014年12月3日 at 7:50 AM

    この曲の歌詞を「受け入れる」ことができた瞬間 がメイトになった時だと思っています

    メイト この言葉の意味が生きてくるのです

    って思っています(^_^)

    Reply

    • POR-METAL

      POR-METAL

      2014年12月4日 at 11:37 PM

      コメントありがとうございます
      ちょびっと時間かかりましたが、「受け入れられた」って表現は合うかもしれないです
      そして受け入れてしまうと恐ろしい、最高に楽しい世界ですな~
      “The One(仮)”にもつながりそうな
      「メイト」って言葉はこの伝説的冒険が終わるまで、特別な響きになりそうです

      Reply

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