白幕の向こう側

白幕の向こう側

ついにその日はやって来た。

AM6:00。普段の土曜日であれば、惰眠を貪っている時間であるが、本日に限っては違う。
まだ鳴っていない目覚まし時計のアラームを静かに止める。
本日は9月13日。そう、小生が初めて彼女たちを目の当たりする日である。
カーテンの隙間から外の様子を伺うと、眩しさで思わず目を背ける。
今日は暑くなりそうだ。
矢継ぎ早に身支度をすませ、AM7:30、ふと短文投稿サイト(ツイッター)に目をやると、
高校生のメイトから写真が送られてきていた。
”現場到着。まだ物販列は50人程です。”
愕然とする。甘かった。小生のうちから幕張の地までは2時間以上かかる。
当初AM8:30出発予定であったが、兎にも角にも家を出た。
小生の上半身はもちろん黒いフェスのTシャツであるが、BABYMETALのそれではなかった。
アポカリの会員限定Tシャツは持っていたのだが、
それ以上に新人さんに見られるのが嫌という変なプライドが邪魔をしたためだ。
今思えば我ながら情けない。ここは堂々とアポカリTシャツで行くべきだった。
AM9:30都心についた。ここまでそれらしい人に誰も出会わなかったので少々不安だったが、
ここで初めていかにもといった人と出会う。赤と黒のゴスロリの出で立ちをした2人組だ。
間違いないだろう。2人組は見失ってしまったが、海浜幕張に停まる電車に乗り込んだ。
想像以上に人が多い。行き先は小生と同じであろうか。暫くして半分以上の乗客が降りてしまう。
この時初めて気づく。そういえばここには王国があった。
鼠の国の魔力に引き寄せられて大半の乗客がいなくなってしまったが、小生は全く動じない。
小生にかけられたキツネの魔法は鼠の国の魔法をはるかに凌駕する。
その場に踏みとどまった者の中には、その出で立ちから直ぐに、目的を同じくするであろう同士が多くいることが分かった。
AM10:30現場到着。半信半疑であったが既にキツネの魅力に取り憑かれた者が目算で300人以上は軽くいる。
そして見事に黒い。小生は1人(ボッチ)参戦で暇を持て余したが、ツイッターがそれを埋めてくれた。
投稿している多くは、無論目の前にいるはずなのだが、全くわからない。
それはそれで面白い。物販が開始して2時間、目的のもののうちいくらかは既に売り切れていたが、
最大の目的にしていた集会のドレスコードを満たす必須アイテムは手に入った。
小生は買ったばかりのそれに袖を通す。


開場の時刻になる。
小生の入場順は開場の規模からすれば決して悪いものではなかったが、
先頭が入っておよそ10分。非常に長く感じた。
小生入場。独特の空気に身震いする。少しひんやりしていたがそのせいではない。
特に推しのない小生は3人を出来るだけ間近で見るため、少しでもステージに近い2列目の窪みに体を押し込む。
この辺りは明らかに圧縮がキツイであろうとと思われたが、アイドルのライブのため、
まだこの時点では半信半疑だった。
有名であろうメタルのサウンドが開場を盛り上げる。
であろうというのは小生でも聞いたことがあるものがチラホラかかっていたからである。
小生は生粋のメタルエリートというわけではない。
小生にとってのメタルはロックの延長であり、そこまで造詣が深いというわけではなかった。
音楽チャートの上位を代わり映えしないアイドルグループが席巻するようになるのと反比例して、
小生の音楽に対する興味は失せてしまっていた。
それがマジョリティであるから仕方がないと諦めもあったが、
上位の数グループの売上や人気を維持するために、本来小生の琴線に触れたであろうバンドが
表に出て来られない今のやり方に対する悔しさのようなものもあった。
そういえば前にライブに行ったのはいつだったか?
関西のフェスだったが、もういつだったかもはっきり思い出せないほど時が経ってしまった。
そんな小生が中高生の、そしてある種犬猿の関係であったはずの”アイドル”を見る為にここにいる。
何か感慨深いものがあった。
(そうは書いたものの小生は彼女らを単なるアイドルグループとしては見ていないということは断っておきたい。)
時折激しいサイリウムのドラミングや一つ間違えれば逮捕されそうなスカートに髭面の外人の煽りで場内が沸く。
この場には全てを包容するような雰囲気があった。


客電が落ちる。
一瞬何も考えられない状況に陥るが、後ろからの強烈な圧縮で我に返る。
本当にアイドルのライブなのか未だに信じられない自分がいる。
さあBABYMETALよ、小生にその真髄を見せてみろ。


目の前に3人がいる。
本当はこの前に件の紙芝居や白幕の演出があったはずだが、
あの場の高揚感にあてられた為か、小生が記憶している最初のビジョンは
巨大なスクリーンに映った3人の姿であった。
小生をこの世界に引きずり込んだBABYMETAL DEATHの凶悪なサウンドと、
それとは正反対の3人の笑顔がスクリーン越しに何とか確認できる。
肉眼で見たいという欲望が犇々と湧き上がってきたが、周りの圧縮がそれを許さない。
そんな小生の願いを知ってか否か、YUIMETALとMOAMETALが登壇。
一瞬少し緊張気味に見えた気がしたが、
あの笑顔にはこちらも笑顔にしてしまう霊力が宿る。
いいね!に入る。
SU-METALの声が心地よく響くが、少しサウンドを絞り気味に感じて
不満を覚えたのを記憶している。もっとその声を聞かせてくれ。
次に覚えているのはもっしゅっしゅしている3人の姿と、
妙に頭上に近く感じたウキウキミッドナイトのレーザー光線だった。
まだ3人をはっきりと認識して3月程しか経っていない小生ではあったが、
アルバム1つだけで世界を相手にしてきたBABYMETAL、
無論全て完璧に知っている曲だ。
周りを気にせず声を張り上げる。


これがBABYMETALだ !


そう、これがBABYMETALなのだが、ここまで付き合ってくれた方々には申し訳ないが、
ここで小生は一旦ペンを置くことにした。
IDZのWODに至るまでを書いてはみたものの、
“何か違う”と感じてしまったからだ。
あの場の雰囲気と3人のパフォーマンスを完璧に伝えるには、
やはり2か月のブランクが邪魔をする。
こんなのはBABYMETALではない。
熱のこもらないライブレポでは、
言葉の通じない海外の猛者を実力でひれ伏させた
もはや貫禄すら感じさせる3人と
本場のメタルヘッズ達を唸らせたコープスペイントの楽団に対して
なんとも申し訳ない気分になってしまったからだ。


小生は20日程後、再びBABYMETALの前にたっているはずだ。
だからここに誓いを立てよう。
この雪辱はその時に返す。
今度はその激しさも凛々しさも可愛さも全て記してやる。
















っっっあああああーーーーー! もう無理だ。このキャラで行くの !

誰だよ、お前!!

首の辺りがムズムズする。蕁麻疹が出る。
黙ってればイケメン文豪だったのに・・・。
次回は普通に戻す。
とは言えライブレポが安っぽくなったので途中で書くのを止めたってのはホント。
途中まではいい感じだったので、自分で読んでここがギリだなってところ以降は消した。
今回は想像以上に中途半端極まりない駄作になったので、公知せずにこっそり更新しとく。
仰々しいタイトルに釣られて途中までとはいえ真剣に読んで頂いた方は本当にスミマセン。
この先が気になるんで自分の目で確認するって人は是非そうしてください!

俺のライブレポは結局また白幕が落ちないままだった。
次回こそはマジで顔笑る。



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2 Comments

  1. CERAMIC-METAL

    CERAMIC-METAL

    2014年12月3日 at 7:53 AM

    小生は貴公の次回記事を楽しみにしている所存です(^_^)

    Reply

    • NYARO-METAL

      NYARO-METAL

      2014年12月4日 at 9:25 PM

      コメントありがとうございます。
      こんな駄作にまで付き合ってもらって面目ないです。
      暫くはとことんメタルレジスタンスに付き合っていくつもりです。
      中には変な奴が少しはいてもいいのかなと。
      BABYMETALが好きなことには嘘偽りないので。

      Reply

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