BABYMETAL現象の構造分析~食べ物で考えるとわかりやすい~。

BABYMETAL現象の構造分析~食べ物で考えるとわかりやすい~。

どうもこんにちは。
メタラー化が急激に進んでいるMetal Resistanceです。
ここ数週間でBABYMETAL以外に16アーティストおよそ300曲くらいを聞いて、Loud Park13/14とWOWOWの放送を見て、メタルエボリューションっていう番組を数話見て、それを基に思ったことを書きます。

今回は、「メタルから見たBABYMETAL」について書いていこうと思います。なかなかに自分としてはメタルをちゃんと聞きだして日が浅いのに、こんなこと書いていいのかな?とも思うのですが、「あ、こういうことなのかな」という事が見えてきたので、今感じたままに書こうと思います。メタルを聴いたことのない方にも、ずっと長年メタルを愛されてきた方にもBABYMETALってなんなのか、その理解の一助になれば幸いです。

できるだけ読みやすくなるよう頑張りましたが、原稿用紙10枚分くらいの長さになったので、その点ご理解いただいたうえでお読みください!

メタルは高級料理

まず、いろいろメタルを聞いておもったんですけれど、メタルって高級料理に似ているなぁと思いました。
高級な料理ってわかる人には「細かい気配」りや「一つ一つの料理にかけられた手間」「素材の味」などが分かりますが、わからない人には「うまい」「まずい」しかわからない。場合によっては「味がない」とまで言われたりする。ぼんやりメタルを聞いていると本当に美味しい部分を見逃してしまう。そんな微妙な部分がメタルにはあって、それを感じる能力がメタルを聴くことには必要だなぁと思いました。そのくらいメタルってサウンドの幅は狭くて、細かい部分で戦っている音楽なのだとも言えると思います。

同じような例だと日本酒の純米大吟醸と大吟醸の違いが区別できる、シャルドネのワインと、ソービニヨンブランのワインを区別できる、見ただけで美味しい魚かどうかわかる、そんな判別眼が挙げられます。大抵の場合は、それらの区別を理解していないと、指針がなさ過ぎて自分が一体どんなものが好きなのか語ることができません。好みはわかっていてもそれがどういう作りのものなのか、ラベルがないと毎回目隠しテイスティングをしないといけなくなります。だから「大吟醸」とか「純米」みたいなラベリングが、メタルにもされていって、「スラッシュメタル」とか「インダストリアルメタル」とか「エクストリームメタル」とかメタルの中で細分化されることになったのだと思います。

深化と差別化が細かくされた業界って、メタルに限らず「とっかかり」って難しくなりがちでお酒と少しに似ています。いろんな種類があって何から飲んでいいかわからない。そして「わからないから安いものでいいや」と適当なものに手を出すと、結構な確率で痛い目にあう。日本酒ではよく「悪酔いする」「頭が痛くなる」なんてこと言われたりしますが、それはアルコールを受け付けない体質的なものでない限り、安酒をあなたが飲んでいるか飲み方をあなたが知らないだけです。日本酒以外のお酒が飲めるなら日本酒も飲めます。断言してもいいです。
(日本酒好きがばれる^^;

メタルもそれと同様に、非常にそれぞれの差がわかりにくく、最初に聞いたものが好みでなかったら「うるさい」「怖い」「あわない」とか、いろいろ言われる可能性がある音楽であると思います。もしかするとメタルは至高品の音楽なのかもしれません。
だからメタルビギナーにメタルを紹介するときは「その人にあったチョイス」を、まるでソムリエのようにしてあげる必要があるんじゃないかなぁとも思いました。

高級料理をカレー味にしたBABYMETAL

そんな高級料理のようなメタルは、高級料亭のようなプライドと自負をもって営業してきたメタルバンドさんたちによって演奏されます。なめた事言ってると包丁飛んできそうなマジな板場、まるでそこは戦場です。

 
そんな戦場にひょいっといきなり現れて「カレー粉持ち込んで全部カレー味にしちゃった(きゃぴ)」みたいなことをしたのがBABYMETAL、と自分は理解しました(笑

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だから「大事な料理になにやってんだよ!!せっかく仕込から準備してんのに!!」と怒る人たちがいるのも仕方がない。でも食べたら元々の美味しさはそのままに、カレー味になってるから美味しくて「え、これはこれでありじゃね?」みたいな人も増えている。そういうカオスな状況を彼女たちが作った、というのが現状じゃないでしょうか。

一番最初の方に味わった人たちは、市販の味がしていて「これじゃねぇよ」って言ってたけど、でも最近ではスパイス使いも上手になり(ステージのレベルがあがり)よりベースの味を引き立たせるスパイスとして変化している。こんな風に現状をとらえると「最初は拒否反応があったけど、そこからジワジワきてこれはすげー!!」ってなったメタラーさんたちの反応と一致します。
最近の彼女たちはカレー粉じゃなくて、上等なハーブやスパイスです。

ただBABYMETALの曲って曲だけで考えるとカレー粉使ってる感は100%は否定できななくて、それを否定する人の気持ちはなんとなくわかりました。でもそれを至高の料理に昇華させている要因は、彼女たちのステージパフォーマンスであり、チームBABYMETALが作り上げるステージの質の高さであると思います。
そういうわけで音源だけ聞いてBABYMETALを批判するのは「冷凍食品食って不味い、だからこれを作った店にはいかない」って言ってるようなものなので、ぜひともライブに来てご賞味ください。

カレー粉の正体

ちょっと比喩の話を進めてきましたが、ここからは具体的な話を。
BABYMETALが持ち込んだカレー粉の正体は「メロディ主体の曲作り」だと自分は感じました。

メタルをいろいろ聞くと思うのですが、メタルってリフ(楽器セクションのリズムパターン)が曲の中心にいます。特にギターリフは主人公でメロディよりも強いものが多いように思います。少しその構造を簡素化したのがヒップホップで、同じリズムが流れている上でラップが流れているのは構造的にメタルと同じです。
メタルの場合はリフのリズムが複雑でかつ流動的に変化し、曲がドラマティックになっていいます。またラップが主役のヒップホップに対し、リフそのものが主役になるのがメタルです。「数分間歌が全くない」という曲がメタルに多いのは、「リフ、ギターが主役であること」の証明になるかと思います。リフから最初に作られてるんじゃなかろうか?というくらい各バンドそこに心血を注いでいるのが聞いているとわかります。

「この話、よくわからない」という方は各メタルバンドは、ラーメン屋がスープに命を注いでいるのと同じように、メタルバンドはギターに命を注いでいるということだけ覚えて帰ってください。

一方メロディについては「リフに乗る形で最適解を求められている」くらいだなぁと感じました。メロディにインパクトがある曲が少ない。
その点「メロディ命」の日本の音楽業界から生まれたBABYMETALは、ほとんどの曲が「メロディ主体」の曲作りになっています。その点がそれまでのメタルとの決定的な違いと自分は考えます。「アイドルのメロディにメタルの伴奏つけただけ」と誰かが言っていましたが、今となってはその感想は否定できないし、むしろ同じように感じ自分もいます。それは「だからメタルじゃない」という批判につながるのですが、そう感じてしまう事には理由があります。

革命的なBABYMETALの曲づくり

ずーーーーーーっとメタルを聞いていた状態で、急にBABYMETALを聞くと、強烈に違和感があるのです。
その違和感とは「来るはずのものがこない」という違和感。リフ主体の曲の場合、コード進行もリフに引っ張られる形になり、コード進行が少ないものが多いです。それが疾走感とか、高揚感を曲全体に生みます。BABYMETALでいうとBABYMETAL DEATHみたいな。

一方でメロディー主体になるとコードの切り替えも多く、展開がより慌ただしい。また特にBABYMETALの曲はKOBAMETAL主導のもと、AメロとBメロで違う人が作っていたりして、大胆な展開になっている曲が多いです。それでまとめきってくるところが、チームBABYMETALのすごいところであり、面白さであると思います。
ただ、それによりリフのループによるメタル独特の疾走感というか、突き抜けるような高揚感はBABYMETALの曲は他のメタルの曲にくらべて相対的に弱まっているとも感じます。だからメタルをよく聞いていた人には、ぱっと聞くとすごく違和感があるし、メタルだとは思えない。だってメタルのあの胸を突くような衝動ないじゃない!こんなのメタルじゃないよ、と。

でも、よーく聞くと、やっぱりメタルなんですよね。
ちょっと作りはちがうけれど、一つ一つのパーツを見ていくとメタルで出来上がってる。出来上がっているものは、メタルには見えないんだけれど、一つ一つは間違いなくメタル。だからこそ、認めざるを得ないし、でも違和感がある。
だからなんなんだこれは!となる。
それからIDZや紅月を聴いて「これは本物のメタルだは!」となる。
なんとなくBABYMETALがやったことって、「ラーメンの命はスープって思ったけど、麺を主体にしたつけ麺もありなんじゃないか」とか「寿司にアボカドいれちゃっても美味しいじゃないか」とか、そんな小さなことだと思うんですよ。

でも今じゃたくさんのラーメン屋さんでつけ麺をだしているし、つけ麺専門店もできはじめて好評を得ている。
「そんなの要らないだろう」と思われることが、業界を大きく変えることが時たまある。BABYMETALも同様に本当に硬直したメタル業界を変える発明をした、そう後々言われるようになるかもしれません。

食べる側からすると、新しいものって食べるのに勇気が要ったり「そんなもの必要ない」って思いがちですが、業界から見るとそういう幅を広げてくれる変化って望ましいものです。だから四天王の皆さんや、その他クリエーターの人たちからBABYMETALは歓迎されているんじゃないでしょうか。

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明治五年に様式を重んじる茶道において、テーブル茶道を発明した裏千家11代玄々斎のように、業界に革新を起こす人たちはたまに時代に現れます。そういう革命家に近いような人たちが、業界を広げ今の生活になくてはならないもの達になっていたりします。
今では当然のようにある回転寿司も最初は「え。。。」という反応は少なくなかったと記憶しています。
そんな存在にBABYMETALはなれるかもしれません。

この文章は自分なりに考えて考察した結果なので、正解かどうかはわかりませんが、集中砲火的にメタルを聴きまくって導き出したひとつの考察です。

「メタラーさんたちがBABYMETALを初めて聞いたとき、どう感じたのか?」ということを自分も感じたいなぁと思っていたのですが、僕の分析はあなたのフィーリングに近かったでしょうか。もし自分が考えたように感じていたとしたら、自分もメタラーって言ってもいいですかねぇ(笑)

また、BABYMETALが好きでメタルを聴いたことのない方には、やっぱりメタルを聴いてもらいたいなぁと思います。BABYMETALは素晴らしい存在ですが、メタルの先人たちがいなければ存在しえなかった存在です。そのルーツをたどれば、また違う角度からBABYMETALを見ることができることを私が保証します。
もし、メタレジそうじゃねぇよ!俺はこう思うんだよ!!って方いらしましたら、ぜひとも、BABYMETAL BIOGRAPHYで語っていただければと思います^0^

ブログにしてはなっっっっっっっっがい文章を最後まで読んでいただいて、まことにありがとうございました!
それでは!See you!

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