滑稽さとギャップ

滑稽さとギャップ

なにかに熱中しすぎている人の様は滑稽なものだと思う。推しの色を身に纏いサイリウムを振って米粒大にしか見えないアイドルのコンサートへ行く面々、競技場でその場限りのナショナリズムに酔うサッカー日本代表の試合、わかりやすくて叩きやすい悪に対する落書きに等しいネットの炎上や憤懣。かなり前に某宗教団体が所謂高学歴の若者を募り終末論を翳し、マスメディアが大いに煽り、とんでもない事件を起こし日本中知らない人のほうが少ない事例があったが、時の教祖が胡座をかいて飛ぼうとするその様はまさに滑稽であり、気持ち悪さを感じた。宗教以外にも経済の成長や恋愛など、信じるという境界線を越えると他者へ依存するという滑稽さがあるからこそ人間味がでてくる一面があるのは確かだ。

初めてライブを見て一気に惹かれてから、現在まで頭の中がBABYMETALばかりになってしまった理由。それはギャップというキーワードで、全て繋がっていることがわかってきた。ギャップとは大きなずれというのが本来の意味であるようだが、別の一面、通常との対比という些か曖昧な概念である点も包括的なキーワードたる理由になる。

筆者は当サイトでの初投稿内http://babymetal-bio.com/archives/1860

>センターの女の子は、歌いだしの♪夢を見ることーの「こーとー」でフラットになった。

>いきなりフラットかよ!で注視してから、瞬く間に虜になった。彼女の声質。貫通力のある声というのか、まっすぐストレートというか、文字通り突き刺さってきた。

と書いた。最初の印象を下げて、後の印象を上げると、ただ印象を上げただけ以上の評価が得られるというものをゲインロス効果というそうだが、この効果に完全にはまった。BABYMETALを構成する各パーツを見るとこのギャップが、大変多いことに気がつく。掲げるテーマは世界征服であったり、オンリーワンを目指すであつたり、The Oneなどベタであるのに、だ。

 

超絶かわいい少女達がメタル:ヘヴィメタルはブラックサバスのアルバムが発売された1970.2.13に生まれたとされる。筆者よりも年上だ。先輩!パイセン、まだついていきます!さて、NWOBHMを経て、スラッシュメタルなど過激なものがドンドン生まれてきたが、少し遅れた時期を筆者は学童として同時代的に育ってきた。友人が新宿のGold経由で購入したコンバットツアー1985VHSビデオに熱くなったのは、もう20年以上前になる。

そこに映し出されていたのは、演者も参加者も長髪で汗だくのむさ苦しい野郎の若者ばかり。男ばかりの暑苦しさがそのまま音楽になっていた。勿論これまで女性のメタルシンガーやバンドさんも多くいたが、厳つく、セクシーに、かっこよくといった具合で、かわいさは構成要素の柱とはならないのであった。

Su-METALのアツ過ぎる部分がメタルに合うと考えたKOBAMETALには敬服するばかりであるが(お父さんと呼ばせ、パパ大好きと歌わせることが判明し許せなくなったが)、かわいい双子が踊っている感じをプラスさせ、余りにかわいい少女達がメタルなんて、というその一点だけでメタルに馴染んできた者にとって十分なギャップであろう。

 

メタルとダンス:見ている側として、メタル音楽は頭を振るくらいしかなかったが、90年代に入りクラウドサーフやモッシュなど暴れる要素が本格的に加わってきた。ハードコア系のジャンルの台頭と共に両手をぶんぶんまわすウインドミルをしたり、回し蹴りしたりしている若者が表れ、それを見て呆れていた。意味よりも強度という宮台真司の言葉は現代に相応しく、ダンスは強度を表すのに最適な表現方法である。肉体で語る言葉なのだ。エクストリームなメタルにダンスというのはギャップではなく、同一化というより副産物なのかもしれない。そう思わせるBABYMETALは、メタルで踊るという画期的なことを鍛錬により可能にしており、神バンドの奏でるドラムや弦楽器隊がマシンのように正確であるからこそできるものと推察できる。

エンターテインメントとしての作り込みのクオリティの高さが評価を決めたと思っています。演奏は精鋭が担っていますし、メンバーのダンスはPerfumeの振付師を付けて徹底的に磨きました。

筆者は全く踊れないので、ダンスそのものについての考察は避けたいが、キレというか、キメでブレない点で感心してしまう。キメはシャッターチャンスになるから、節度というのは大切なのだ。awesome

 

アイドルに中年が熱くなること:支える世代で思うことを書いたつもりだ。

支える世代

メタル好きが楽しくなること:メタルというジャンルはどうもストイックさというか真摯な態度を求められる気がする。デスメタルやグラインドコアなどのライブを見たことがある人は分かると思うが、命削っている感じが伝わってくる。ヘドバンに踏みっぱなしのツーバスドラム。首や脚腰大丈夫?と

CATTLE DECAPITATION

何々しながらという態度でメタル音楽に接しないという人も多い。メタルはBGMにならないと以前は思っていたものだ。中毒性が高く音楽そのものに対峙するという意味で健全なドラッグである。アッパー系のドラッグは楽しくなるそうだが、メタルのライブの多くは腕を組んで一音も聞き逃さない勢いで音楽に接するという地蔵スタイル。やれ歌い手の声が細いだの、ドラムのキックが弱いだの、ベースの中音域絞れだの、ギターのハイがキツいだの、ダウンピッキングが鬼のようだの、まるで〜のようなリフだの。さながらダウン系のドラッグを食らって心底好きなものにだけ捧げる批評家のよう。気が向いたら、キツネサインではなく、メロイックサインを挙げる、様式美として。斜に構えて音楽を見聞きしていて楽しいはずがない。昨年末のNHKの番組、BABYMETAL現象の中、歌や踊りがすごく上手、ルックスもキュート、曲もキャッチー、なによりライブが本当に楽しいとケラングのジェニファー J.ウォーカーさんは話していたが全くそのとおりである。フリコピしたくなるBABYMETALというハイアッパー系健康ドラッグを毎日皆でキメようYo

 

ギターリフの単調さと歌メロのキャッチーさ:ギミチョコやヘドバンギャー、4の歌など、実はギターリフはリフレインが非常に多い上、数も少ない。複雑すぎない印象的なギターリフがキャッチーさを生んでいるのかもしれない。対して歌メロは転調はあるもののPOPsのそれで歌謡曲ですらある。覚えやすいメロディーといえばわかりやすいのかもしれない。五歳になる筆者の次女が「リンリンリン、おはようウェイアー」と歌っているのを見てそれは確信に変わった。

 

歌メロのキャッチーさと無機質なギターソロ:メタルではギターソロの有無がメタルであるかそうでないかまで論争になり得る要素であった。それだけ、メタル音楽はギターの音色が占める割合が高い。BABYMETALの曲の多くは歌メロがキャッチーで誰でも口ずさめるものなのだが、ギターソロは速弾きを主体としており、スイープ、タッピングなどの超絶技巧を駆使し、かつ、半音階や音階差の激しいフレーズが顔を出す。正確に口ずさむのは困難であり、コピーして弾くのは本当に大変である。一方、紅月に見られるツインリードの叙情性の高さはギャップ萌え要素が溢れてしまう。

 

かなり歪んだダウンチューニングをしているバンド音とスムースストレートなメインヴォーカル&合いの手の声これは多くの人が感じている、「なんじゃこりゃ?」感そのままではなかろうか。

ほかにもSu-METALMOAMETAL&YUIMETALとの身長差や、ステージでの立ち振る舞いとオフステージでの笑顔などまだまだ挙げられそうだ。

 

このギャップの多さは、美女の裏にはエロティシズムがあるとした村西とおるを引用するまでもなく性愛の対象になり得る。性の快楽は微小死なのだと聞いてもよくわからないが、Twitterでゆいちゃんといつも呟いている人の大脳皮質の活動は半分どころか、八割以上まぢゆいちゃんなのだ。特にYUIMETALMOAMETALの容姿はロリそのもので、ペドフェリアは人権侵害であるから、欧米では動画をみることでさえ二の足を踏むという意見もあるくらいだ。

Can We Stop With The BABYMETAL Pedophilia Jokes?

これまで当サイトで投稿する方々は、敢えてなのか意図的なのかわからないが、フロントの三名とも年齢が十代半ば、つまり妊娠・出産が可能になる下限のギリギリなところは触れないようだ。ステージ衣装を見ても肌の露出は少ないし、明らかにセクシーさを売りに出す年齢ではない。Su-METALと結婚したいという気持ちを表明するのは、その時点で大人ではないという配慮だろう。しかしながらフロントの三人はいつまでも夢見る少女じゃいられなく、時間と周囲が女性にし、自然とそうなっていく。エロティシズムの根本は、孤独を超えてつながろうとする欲望だとするがあるように、私達は深いどこかで不可能なものを追求しているはずだ。真・善・美の世界に到達しようとする最も高次元な愛をエロスとするなら、BABYMETALはギャップからくるエロスを、寸止め健全な状態で与えてくれている稀有な存在ともいえる。滑稽とは常識を外れていておかしいことだから、BABYMETALは滑稽そのもので、それにはまっている人も皆、滑稽。メイトより、滑稽者どもと呼ぶほうがおもろいかもしれない。最早何を言っているのかわからなくなってきた投稿した内容そのものが滑稽であった。

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2 Comments

  1. セラミックMETAL

    セラミックMETAL

    2015年2月17日 at 5:21 PM

    面白い! 読んでいてワクワクしました

    KAWAII っていうのは 儚げさを伴っているんですよね

    うん 滑稽者として もっと記事を期待しています(^_^)

    Reply

    • だんなさん

      だんなさん

      2015年2月19日 at 10:50 PM

      読んでいただきありがとうございます
      ベビメタちゃんのお陰でで声に出して「かわいい」と言えるようになりました
      今後もゆっくりと記事を書いていけたらと思います

      Reply

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