精神依存

精神依存

姫路セントラルパークのももクロライブを雨中に見てロックを感じた翌日の朝、風邪治り終盤、弱冠の鼻声のまま関西国際空港へ向けて電車に乗った。メタルを感じるため、BABYMETAL WORLD TOUR 2015 ~巨大天下一メタル武道会~が行われる幕張メッセへ向かった。

元々621日は二月の段階から予定が入っており、The Oneに加入しているのに当該ライブの申し込みができず失意のまま理不尽なその理由に、時間をかけ一応気持ちの整理をつけていた。中旬に一転、予定変更の知らせがあり、その日が一般応募の最終締め切り日という運命めいたもので、慌てて抽選申し込みを行いそれが当選した経緯がある。ローソンから得たチケットにはE37○×と書かれてあり、期待した位置では見ることが出来ないと行く前から予想はしていたが、見られるだけで丸儲けである。

 

成田へ向かう格安飛行機での降り際に通路を挟んだ隣席の方がBABYMETALのシャツを着ており、当方からキツネサインをかますと返してくれた。前日の疲れから飛行機内に着席すると寝てしまったため、あっさりとした会話に留まったが、幕張へは日帰りで、ライブの途中で抜けざるを得ないという。大きい会場で行うライブは土曜日開催が望ましいのかもしれない。京葉線内でも海浜幕張駅の降り際にThe Oneを着ているメイクバッチリの目を惹く一人の若い女性にキツネサインをかましたら、「頑張りましょう」とFOXサインと言葉で返してくれた。眼鏡をかけ、ヒゲの生えた厳ついおぢさんに返してくれるとは、本当に全く以ってレジスタンスである。

 

海浜幕腹駅に到着したのは、午後三時前。幕張メッセに来ること自体初めての経験だ。今にも雨が降りそうな空。成る程、黒い集団が時間を持て余したり、再開や出会いをし、挨拶しているのが大勢いる。若者と女性がSSAの新春キツネ祭りより増えた印象だ。勿論、顔に多くのシミを蓄え、ビール腹を擡げていたり、禿げ散らかしている中年男性の数も膨大だ。膨大すぎる。筆者は偶然にも三点揃っている。首元がよれているバンド黒Tを着た一見で分かるガチメタラーも多数いる。筆者も世界を飛び回る超絶かわいい女子高生三人に同じく魅せられた男性5名とも合流出来た。何故若い女性がいないのか大変不満だが、終演後の飲み会が想像できる。大阪からの遠征組は筆者含め二人で、手ぶらで帰るのは惜しく、ハゲ坊主である筆者には必須のアイテム、デスいロゴ帽子が欲しいので、長時間並んでまでグッズを買うつもりのない人含めた六人皆でそのまま物販会場へ向かった。何時間も並んでいるのをTwitterで知っていたから、半分は冷やかしであった。物販会場へ入ると凄まじい人員が並んでいるのだが、一回の列の進む度合いが10分程度であり、一時間も並べばいけると判断した。結果50分後にはキャップ、Tシャツ二枚買うことが出来た。他の五人もシャツを買っていた。

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開演一時間前に会場へ向かうと、雨が本降りであったが、屋根のお陰で多く濡れずに済んだ。便所の待ちと入場入口の分かりにくさで、会場内には午後四時四十五分に入った。前も後ろも横も端が見えない。それ程大きい会場で、多くの人がいて、黒い風景であった。BGMCannibal Corpseが流れた時、ステージから遠いし肉眼で三人の表情の確認は困難と決め、はしゃいでみようとスイッチれかえた。正統派王道デスメタルを二万五千人で聴くなんて、素晴らしすぎる。メタル好きは少ないのか反応が薄いというか、より静かになった。馬鹿だもーんやエリックマーティンの歌声を聞きながら、メガネバンドをして落下防止、携帯電話と財布はナスカンフックで固定。新たに購入したキャップは一番キツいところまで締め付け、ポーチを体の前方にし、首や腕、肩のストレッチをやっていると暗転した。

 

ノーMC、ノーアンコール宣言の紙芝居。紙芝居での仕込みに笑う人が少ないまま、開始と同時に怒号と叫びと共に後ろから相当数の人に押された。一曲目のBABYMETAL DEATHから汗だくになる。なんという蒸し暑さだ。涼しいところへと向かおうとするがそんな場所はなく、寧ろ押し合いへし合いしている場所内のほうが人口密度が低く涼しい。このブロックは空調と音響はよろしくなかった。全体を通してPA側の問題だろうが、歌い始めでの音声の途切れが何度もあった。メタルなら音を最も大きくしてくれ。ズレも数回あった。歌声も高音ばかり耳につくし、ダンスも後半は足が上がっていなかった。

 

 

曲が進むにつれ、腕の汗が老若男女問わず両隣りの人とにゅるっと触れ合う。ズッキュンとドッキュンを交互にする。年配の女性が吹っ飛ばされ視界から消える。りんりんりんの振りコピをきめる。ヘドバンをすると帽子のツバが前の人の肩に当たる。すうちゃんかわいいと叫ぶ。キンキラリンで緑の光の動きにゾクゾクする。アワアワの丸を両手で作ろうとするも、前後両隣りの圧縮により阻まれる。おねだりで天井へ向け飛びながらカンチョウをする。お金が舞うのは確認できず。汗でポーチも濡れ始める。鬼さんこちらで肘打ちを何度も受ける。ゆいちゃんかわいいと泣き叫ぶ。紅月で汗と涙が混ざって視界がなくなる。財布と携帯電話の所在を何度も確認する。ロンドでせり上がる憑依したSu-METALに固唾を呑む。よんよん言いながら両手を突き上げる。新曲のキレキレダンスで表情筋が緩む。押し合いの後回れーと叫ぶ。用意していたペットボトルの飲料を失くす。いいねっと親指を立てる。もあちゃんかわいいと、既に掠れた声を出す。ギターソロに合わせて左手を挙げエアーギターをする。ソレソレ踊る。足を複数回踏まれる。ルルルーを聞いた後、出来上がった丸い空間の中心へ向けかなりの勢いでおしくら饅頭をする。グルグル走りながら大勢と何度もハイタッチする。横に頭を振り、バンバンババーンの振りコピを壮大に決める。何度目かわからないグルグル。大声でオーオー歌った後グルグル走ると右靴が脱げる。右靴を拾おうとすると頭に膝蹴りを喰らう。ウィーアーから煽られベビーメタルと大声で連呼する。終演後の汗だくの客を見たどこかの婦人が皆部活帰りなの?と漏らす。六人で行った打ち上げで皆黒いTシャツを着ているのを見て、居酒屋の女将さんがユニフォームなのかと聞かれる。

 

これか!

 

 

“No thinking! Just feeling!”

http://www.altpress.com/aptv/video/no_thinking_just_feelingaptv_interviews_babymetal

 

 

高いレベルの演奏、ダンス、歌唱、ルックス、照明、ライブ構成、持久力に加え、海外での経験がその言葉を生み出したのか。全てが過剰だ。キツいドラッグだ。使用の抑制が効かなくなる精神依存だ。メタルを感じるのではなく、BABYMETALを感じるんだった。中年男性にしてははじけすぎたかもしれないが、暫く余韻が残るのは間違いない。余韻を残しつつ、生の健康系ハイアッパードラッグBABYMETALをキメるのは次、白塗りの八月である。Put your kitsune up !

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