制約の中に生まれる自由(「Metal Resistance 」レビュー)

制約の中に生まれる自由(「Metal Resistance 」レビュー)

お久しぶりです、KAIMETALです。 前回の投稿から9ヶ月以上が過ぎてしまいました。

その間BABYMETALはさらに階段を駆け上がり、日本人としては前人未到の領域に到達しました。

様々な記録の樹立はもちろん凄いのですが、今までもそうだったように現時点でもまだまだこれからだとも思えます。 もう凄いとしか言えない状況ですね。

 

さて、先日4月1日のFOXDAYには、ついに待望の2ndアルバム「Metal Resistance」が世界同時発売されました。

遅くなってしまいましたが、今回はこのアルバムについて書きたいと思います。

 

「Metal Resistance」

1. Road of Resistance

2. KARATE

3. あわだまフィーバー

4. ヤバッ!

5. Amore – 蒼星 –

6. META!メタ太郎

7.シンコペーション(海外盤はFrom Dusk Till Dawn)

8. GJ!

9. Sis. Anger

10. NO RAIN, NO RAINBOW

11. Tales of The Destinies

12. THE ONE

最初に聴いたとき、笑い転げました。

バカにしてるのかと怒られてしまいそうですが、純粋に楽しくて笑い転げていました。

いつもライブでは泣いてしまうのですが、今回こみ上げてきたものは笑いでした。

聴き終わるまで、こんなに笑ったのは久しぶりというぐらいずっと笑っていました。

何かCDを聴いて笑い転げたという経験はなかったので自分でも驚きましたが、なぜこんなにも楽しいのか、笑ってしまうのか、その理由はわかりませんでした。

その後、ずっと聴き続けるうちに、こんなにも自由なアルバムは聞いた事がないかもと思うようになりました。

そしてなんとなく自分の中で答えのようなものを導くことが出来ましたので、今回ここへ書かせて頂くことにしました。

 

その答えとは、

 

「Metal Resistance」は圧倒的に自由なアルバムである

その自由は強い制約の中に生まれたものである

そしてこれこそがROCKである

 

 

というものです。

 

そもそもROCKは歴史上、抑圧からの解放、既存の概念の破壊を音にして鳴らすものでした。

その抑圧とは差別であったり、政治不信であったり、戦争を駆り立てる風潮、経済の低迷、それに伴う失業や搾取であったりと、様々な背景がありました。

それを覆すための叫び、自由を求める叫びは音楽をより衝動的なものに変え、そこからROCKが生まれたと理解しています。

METALはROCKから派生したものですが、より過剰で攻撃的な音と怒りの表現、破滅的な思想、様式美的なルールを構築してきました。

ただ、歴史が積み重ねられるうちに、METALそのものがこうでなくてはならないというところまで構築され尽くしてしまったようにも感じます。

そんな中、BABYMETALは誕生しました。

 

METALをグループ名の中に背負っているBABYMETALは、METALという前提の下で作品を作らないといけないという制約を自らに課してしまっていると言えます。

また、1stアルバムはBABYMETALという発明を世に知らしめた作品で、その上での2ndアルバムにはこの発明のみに頼れないという制約もあり、これは制作にあたっては相当なハードルだったはずです。

しかし、私は「Metal Resistance」を聴いて、制約による不自由さは全く感じず、本当に自由なアルバムだと感じました。

様々なメタルのサブジャンルを縦横無尽に旅しながら、メロディーは完全にJ-POP、曲の完成度も異様に高い。

スカメタル(ドキモも同じ系統)とでも言うような新感覚の曲もあり、しかもどんな曲をやっても全てがしっかりと確立された”BABYMETAL”になっている。

オマージュはただの引用に留めず、オマージュ元の本質を捉えた上でその素晴らしさを継承、発展させる(シンコペーションがPerfumeのポリリズムのオマージュかもと思ったときは震えました)。

メンバー、プロデューサー、バンド、作曲家、作詞家、編曲者、マスタリングエンジニア等々、制作に関わった方々は多岐にわたりますが、全員がMETALでとことん遊んでいるなと感じました。

「このチームならもう何をやってもBABYMETALになる」という自信があるのではないかと思わせるような、音の向こう側にみんなのドヤ顔がみえるような、そんな感覚さえ覚えました笑

 

未だにメタラーや新しくBABYMETALを知った人々の間では、BABYMETALがMETALか否かという論争が続いています。

しかし、「Metal Resistance」が発売された今、以前のように既存の概念の中に当てはめることをもってMETALか否かを論ずることはもう完全に出来なくなったのではと感じます。

もし、過剰な表現というものがMETALを定義するならば、これは完全に過剰に攻めきったMETALです。

 

また、完成度が高ければ高いほど、過剰な表現をすればするほど、衝動が突き抜ければ突き抜けるほど、もう笑ってしまうくらい痛快で、これには自由を感じずにはいられず、まぎれもなくROCKです。

つまり、ROCKやMETALという音楽の歴史の最先端に今、BABYMETALが立っているのではないかなと感じました。

「METALじゃない」についてはもう「既存のMETALじゃない」とでも言っておくしかないのかなと思います。

このような全く新しいものと出会えた瞬間、最初に出てくるものは笑いなのか!と自分でも目から鱗が落ちる思いです。

 

 

通常音楽活動をするにあたっては、グループの名前でわざわざ自らに制約を課すようなことはしないと思います(Metallica以来でしょうか?)。

グループ名での制約は、強烈な命題となってそのグループの方向性を縛ります。

BABYMETALはその成り立ち上、無意識のうちにその命題を抱えてしまったグループです。

これまでのROCKが通ってきた社会の抑圧ではなく、インターネットの隆盛と逆行するような音楽自体の閉塞感からの抑圧が強い時代です。

これらが逆に自由を求める渇望を生み、生命の輝きがどこまでもポジティブな衝動となり、このような新しい形の自由を表現するアルバムが完成してしまったのではないかと思います。

 

このアルバムは新しい自由を提示しているような気がします。

 

 

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One Comment

  1. 末メタル

    2016年4月30日 at 2:44 PM

    最近ファンになったものです!live映像を観てみて疑問に思ったことがあったので教えていただきたいです。road of resistanceの「東の空を〜♪」「真っ赤に染める〜♪」のあとに掛け声が入ってるように聞こえるのですがなんと言っているのでしょうか?

    Reply

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